建設関連重機レンタルのトータルネットユニオン(愛知県一宮市)は、各企業が所有する遊休機械の相互利用をとりもつクロスレンタルシステムを事業としている。限られた機械しか保有できず、レンタル会社を利用せざるを得なかった中小建設業者にはまさに福音といえるサービスだ。
トータルネットユニオンの創業は2002年11月。社長の重見昭三氏が建設機械のレンタル会社に勤務していた時、顧客企業から「遊休機械を相互に利用して有効活用できないか」との要望を聞いたことが会社設立を決意したきっかけだった。
クロスレンタルとは各企業が持っている資産、すなわち建設機械を有効活用する方法である。顧客企業が必要とする機械を準備する一方、遊休機械を借り、必要とする企業に貸し出し稼動させる。
同社は機械のコンディションと稼動情報の両方を入手し、フル稼動に近づくようにアレンジする。クロスレンタルはビジネスモデルとして昨年特許を申請し、今年は補正を提出している。
同社のクロスレンタルサービスを利用する登録業者は現在約900社にも上り、順調な伸びを見せている。1年以内に2000社を目標とするが、「増加のスピードを考えれば十分達成可能」と重見社長は自信を見せる。
事業が一定の拡大をみた今、同社の営業方法は転換期を迎えつつある。これまでは対面営業を行ってきたが、11月からはダイレクトメール方式を関東方面で試験的に導入、手応えは上々で営業効率は上がった。新規性のあるサービスの提案であるだけに、創業期の苦労はひとしおであったようだ。
売り上げ構成は、クロスレンタルが約65%、機械販売が約25%、残りが修理、損害保険、その他のサービスとなっている。
今後の展開としては、損害保険の比重を15%くらいにまで高め、事業の柱の1つに据える考えだ。具体的には機械のコンディションと稼働状況がタイムリーにわかる強みを活かし、GPS発信器を利用して機械の稼働時とヤードに置かれ稼動しない時に分け、機械保険料を最小にする仕組みを作った。サービスの提供は11月末から。このサービスについてもビジネスモデル特許を申請した。
売り上げをみると、第1期は4億5000万円、第2期は11億円、そして今年11月からスタートした第3期は約20億円を見込む。そして第6期売り上げ60億円を達成し、上場を目指す。同社は認定基準の厳しい「新事業創出促進法」による経済産業大臣認定をすでに受けているが、これは上場を目指すことが前提となっているものだ。
重見社長は「会社と会社をつなぐかけはしになることにより、社会に貢献していきたい」という志を持つ。
従来、各企業は分断された状態に置かれていた。市場原理のもと、切磋琢磨といった観点からはよい一面もあったが、保有する資産の活用はやりにくかったという背景があった。
個々の企業のレベルでは情報発信や情報入手が困難だが、企業が持つ情報を発信可能にする仕組みを整え、収集した情報を会社の資産にできれば十分に勝機はあると重見社長は考えた。これらの情報を企業間で共有できれば個々の企業の力は飛躍的に伸び、同社としても共存共栄をはかることができる。
会社がここまで成長する過程では、機械のコンディションの把握が一番難しかったという。「多岐にわたる機械の現在の情報を掴むことが事業の根幹。この作業にはゴールはなく、今後もベストを追求していきたい」と重見社長。
現在は短期レンタル中心だが、将来的には総合リースの業態をも志向する。トータルネットユニオンの社名は経営理念とともに将来の夢をも表している。
建設産業は決して衰退しつつある産業ではない。60万社にもおよぶ中小企業はクロスレンタルを導入し、稼動を限りなく100%に近づけることができる。この産業はこれまでにない力強さを持つことになるかもしれない。
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