2008年7月号巻頭言

主幹の主観
中部財界社代表取締役              
服部靜明

自転車泥棒
 
 自転車を盗られたと知人が怒っていた。
 地下鉄駅近くの舗道に停めておいたら、帰りに、そこになかった。 数日後、名古屋市から一枚の葉書が届いた。放置自転車を預かっているから受け取りに来るようと書かれている。
 知人もわたしも納得できなかった。
 自動車ならば、たとえ舗道上に乗り上げ歩行者の妨げになっていようとなかなか撤去しない行政が、どうして自転車なら有無を云わさずに持ち去るのだろうか。
 それだけじゃない。
 考えてもごらんな。クルマは炭酸ガスをまき散らして走る。一方自転車はガスを出さない環境に優しい乗り物だ。
 その自転車を利用している人々、つまり地球に優しきひとびとに対して「駅には乗ってくるな」と居丈高に云うより前に名古屋市にはやるべきことがあるはずだ。駐輪場の整備である。
 最近名古屋市は「クルマ脱却駅そばライフ」を提唱しているが、素直に信ずるひとは少ないだろう。わたしに云わせればこれは「二枚舌」だ。なにしろ名古屋市は地球に優しい乗り物・自転車を市民から奪い取る“盗人”なのだから。