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エスカレーター逆走
名古屋市営地下鉄の久屋大通駅で、エスカレーター逆走事故が起きた。上り方向に動いていたのに、急停止した後に下降した。これは「逆走」という過去に例のない衝撃の事件となり、新聞やテレビは全国ニュースとして大きく取り上げた。
事故では「人が頭上から降ってきた」という恐ろしい証言もあり、死者が出てもおかしくないケースだった。
台座を固定するボルト2本に昨年9月、破損が見つかった。メーカーは溶接補修をしたが、市が強い姿勢で臨み、できるだけ早くボルトを交換させていれば、事故は起きなかった。安全に対する意識が問われる。しかも、金属疲労という破損原因を本庁の課長に電子メールで送信しただけ。電話などの連絡をせず、課長もメールを見落としていた。
なぜ、こんな重大な補修を、担当者は電話で伝えなかったのか。メールではなく、公文書で報告しなかったのか。相談しなかったのか。メールを十分にチェックしなかった課長の責任もあるが、やはり現場の担当者がきっちりと報告すべきで、組織の危機管理や連絡体制の不備が問われる。
逆走という事故に加え、市の問題が次々に明るみに出て、報道合戦は激しくなった。松原武久市長は「負傷者をはじめ利用者に迷惑をかけ、誠に申し訳ない」と陳謝した。一方で、たたきやすい市ばかりを批判する一部の報道には大いに疑問あり。事故の本質は、メーカーの責任が一番大きく、ボルトの強度や補修作業に問題があった可能性が指摘されている。東京のゆりかもめや都営地下鉄大江戸線でも、ボルトの破損や亀裂が見つかった。東京で起きてもおかしくない事故だった。もっとメーカーを責める報道があるべきだ。事故後の取材対応も良くなかった。
事故後、エスカレーターを利用する度、一抹の不安を感じ、前にいる人との距離をチェックすることがある。徹底的な原因究明と安全対策が望まれる。(た)
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