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証券裏話

伊勢町 太郎

訂正の嵐

 名古屋証券取引所にとっての1年に1度の「大イベント」三月期決算期企業の決算発表が終わった。証券取引所が上場企業に、期末後45日以内に情報開示をするよう要請したため、発表時期を早めた会社が120社。日数を10日以上早めた会社も4社あり、5月の中旬(15日)に32社と発表が集中した。
 決算はいわば企業の成績表。2008年3月期の業績では自動車部品産業や鉄鋼産業を中心に、増収増益の企業も多かったが、次期以降の業績予想では厳しい見方をする企業が多かった。原因は米国経済の減退と円高、原材料高のいわゆる三重苦。中部に多い製造業は輸出、外需に頼っているため、厳しい業績見込みとなった。
 だが個人的に、これ以上に驚かされたのは、決算の訂正をした企業が多かったこと。また例年以上に国税局の指摘を受け、申告漏れを修正した企業も多いように感じられた。
 決算書に「過年度法人税」、つまり過ぎてしまった会計年度の法人税を計上した企業は日本車両製造(本社・名古屋市)に中央可鍛工業(同)、菊川鉄工所(三重県伊勢市)などなど。額は数百万円から一億円強まで。理由も海外法人立ち上げの際の人件費や交際費の解釈の違いなどそれぞれ違う。重加算などのペナルティーはないとしているため、悪意は国税局も感じなかったのだろう。
 3月期決算企業以外でも、2月期決算期業で5月下旬に株主総会を開いた岡谷鋼機(名古屋市)。総会で株主から「申告漏れがあったのでは」との問い掛けがあり、経営陣は「過去にあった」と認めたと言う。
 現在、証券界の流れは、投資家への素早い情報開示を最優先としている。今後、上場企業には四半期ごとの決算発表が求められていく。だが、監査や公表する資料の事前チェックなど、社内外の体制が追いついていない状況は、決算の訂正などの多さから明らかな状況だ。
 解釈の違いや勘違いがあるのはしょうがない。だが、後で訂正や申告漏れが頻発するような決算情報が出ることが正常な状態か。企業の広報体制も含め、今後に多くの課題を残していた。