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また執筆します
CT検査合格で
八事日赤病院で胃ガンを手術してから、1年が過ぎました。経過はどうだろうか?ガンが転移していないか?それだけが心配でした。生来、気が小さいのでしょう。それに親友の相次ぐ逝去に意気消沈。原稿を書く気力も衰えて、また2号休ませていただきました。正直なところ、これで終了させてもらおうかとも思っていましたが…。
4月18日CT検査(コンピュータ断層撮影)を受けました。心配で長女に付き添ってもらい坂本外科部長からの診断結果を聞きました。何枚もの画面を見ながら“きれいですねえ。これなら大丈夫ですよ”とのことでした。一瞬気が抜けていくような安堵感におそわれました。それで多少元気になりました。大昭会の皆さんや読者から“また書けよ。書かないと、今度は呆けるぞ!!”と言われ、ふたたびペンを執ることに致しました。そんなときでしたか、中日新聞に、福田首相が、約10年前に胃ガンの手術をしていたことが明らかになったと報じ、福田首相は“この年になれば病気の一つや二つはしているさ!!”と述べたという記事が載っていました。
“福田さんも胃ガンの手術を受けた。先輩なんだ。しかも、見事にガンを克服、総理としてこのねじれ国会、難しい政局のなか激務に耐えておられるんだ”と思いますと、私も“頑張らなくちゃ”と思ったわけです。
一冊のノートに
書き止めて来たもの
会社の机の中を整理していたら黄ばんだ古い一冊のノートが出てきました。弊誌創刊以来50有余年、その時々に読んだ本や雑誌に載っていた名文、名言などの中特に心惹かれたものを、このノートに書き留めてきました。
読み直してみると懐かしく当時が思い出されます。しかしいまや往時茫々ですが、時に感銘を受け共感した、いくつかを選んでみました。(一号一言と重複することもあります)
[第1回]
小説神谷正太郎
“売る”松山善三著から
▽ …人は人に支えられて生きる。
▽ …悲しみを温めても、そこから花は咲かない。
▽ …金は、城だ。
▽ …運、不運は明日の天気のようなものだ。誰が、それを決めるのか?
▽ …人の運命は変転する。落葉一枚に開眼する人もあれば、男女の出会い、老若のめぐり合いによって人生は川の流れのようにその行き先を変える。
▽ …人は、そうした行為を冷酷だと罵る。けれども人々が“愛”だと信じている行為のほとんどすべてが、実は愛ではなく“媚”だということを知らない。
▽ …胸にたまった落葉のような苦渋の歴史を聞いてもらいたかった。
“重役への階段”
伊藤肇著から
▽ …男は全部、心の中では一流の二枚目と思っている。
▽ …年寄はサラリ!と遊んでこそ、いいお客なので、あまり本気になってしつこく女の子を追い回さぬこと。
▽ …遊びは金拂いにはじまって金拂いに終わる。
▽ …人を知ったときよりも、別れるときを盛大にやらねばいけない。
▽ …“英雄、色を好む”とは昔からの言い伝えだ。しかしあわてたヘナチョコが、色を好めば、英雄であるかのごとく速断しがちなのは片腹痛い。
▽ …世の中に必要なものならきっと世の中が拾い上げてくれる。(いつも、そうつぶやきながら慰めていました)
▽ …人間は“これが最後ではないか”という時でなければ、本当の女の愛しさは分からない。
▽ …有名をでっち上げてはならない。有名とは渋柿が熟して甘くなるように、ひとりでになるものだ。
▽ …“美しく死ぬ”ということはさほど難しくない。けれども“美しく老いる”ということは実に難しい(アンドレー・ジイド)
▽ …私は死んで、華々しいことはしてもらいたくない。友達の間で“あいつがいなくて寂しいなあ”といわれるような人間でありたい。
男子の本懐
城山三郎
▽ …人生は込み合う汽車の切符を買うため大勢の人々と一緒に窓口に列を作ってたっているようなものである、なかなか自分の番が来ない。時間が迫ってきて気はあせりだす。隣の方が空いていそうに見えるので飛び出してみたくなる。しかし一度自分の列を離れたが最後、あっちこっち徘徊してみても、そこでもまた順番がある。しまったと気がついて、元の列に立ち戻ってくれば、自分の前にいた所は、既に他人に占領されていて、遥か後ろに回らなければならない。結局急いだために、かえって遅れることになる──。
陶芸家 加藤唐九郎
▽ …人は、もし世に頭角をあらわせば、必ず敵ができる。自分より実力の上のものも、下のものも敵にならない。だから敵を見れば、自分が今どんな位置にいるか一目で分かる。敵に勝つ最善の方法は、どんな挑戦にも相手にならず、黙って自分の仕事に打ち込むことだ。
トモエ算盤 藤本社長
▽ …頼れるものは自分だけだ。これは決して愛情をはねつけようというものではない。しかしその自覚があって、初めて見せかけでない愛情や、本当の誠意が生まれるのだ。
▽ …困難にぶつかったら惜しみなく汗を流す。わが身に汗水をかけてやることで、知恵は自ずと芽を出してくるもの。そして必ず切り抜けることができる。
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