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靴特集
大人の靴スタイル大研究
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男の靴はスーツ以上にセンスを問われる自己のテイストを伝えるアイテムである。 長らく“靴不毛の土地・名古屋”と言われて久しく、海外高級ブランドも評判だけが先行し実物は海外旅行で入手するしかなかった。最近ではネット注文をはじめ靴量販店、セレクトショップと靴愛好者にとっては選択肢も拡がりつつあるようだ。そこで本誌では「男の靴」の魅力を独自取材。貴顕紳士の靴へのオマージュや厳選のショップまでを一挙公開した。
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東海地区のシューズショップ
愛用の一足はそれぞれに愛着や思い入れがあるようだ。本稿では東海地区を代表する斯界の方々に愛用の一足について尋ねた。
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社名 松栄商事
対象者 阿部博社長
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ブランド サルバトーレ・フェラガモ
購入可能店 松坂屋本店
「このブランドが好きな事と実用的な観点から愛用しています。ドライビング時でも、靴底が減らない様に加工されとても気に入っています」
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社名 オークラハウス
対象者 大蔵 浩社長
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ブランド プラダ
購入可能店 プラダ名古屋店
「靴を選ぶ基準はパッと見が良く、実際に試し履きをしてみて履き心地も満足させることです。本品は、堅固で飽きがきません」
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社名 ルボウ
対象者 沖本日出男社長
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ブランド ハツシュパピー
市内購入店 市内百貨店
「チャコールグレーのスーツにストライプカラーのシャツとのコーディネートを考えるとこのスェード材質の黒色はしっくりくると思います」
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社名 テーラー神谷
対象者 神谷裕之社長
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ブランド BARRETT
購入可能店 テーラー神谷
「愛用の靴を一足挙げるとしたらイタリー製のBARRETTです。革底が一枚革で爪先が足に吸い付いてくる所も魅力的です」
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社名 ボディコート・ジャパン
対象者 ジュリアン ベイショア社長
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ブランド ケネス・コール
購入可能店 取扱店なし
「私の靴サイズは30pと少し大きめですがケネス・コールはサイズ切れということが無く、品質にも留意している所が気に入っています」
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社名 医療法人ホワイトデンタル
対象者 杉浦 定文理事長
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ブランド ルイ・ヴィトン
購入可能店 ルイ・ヴィトン名古屋栄店
「どんなに良い靴でも履き心地が良くないと履かなくなりものですが、今履いているヴィトンはすごく私に合っていて、いつも履きたくなりますよ」
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社名 タキヒョウ
対象者 滝 茂夫社長
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ブランド ジョン・ロブ
購入可能店 松坂屋本店
「最もスタンダードながら、洗練されたモダンなセンスを備えています。格調高く手が込んでいて、高い次元でまとまっている所が良いですね」
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社名 ヤマザキマザック
対象者 山崎照幸会長
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ブランド グッチ
購入可能店 グッチ名古屋店
「グッチは特に良いですね。今履いているのはマジックテープが付いていて、履き心地を細かく調整できるので重宝しています」
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社名 丸紅名古屋支社
対象者 山本勉名古屋支社長
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ブランド アレン・エドモンズ
購入可能店 取扱店なし
「米国勤務時代のオフィスはNYにあり、近隣で購入したアレン・エドモンズ”を愛用しています。重厚でクラシックな所が気に入ってます」
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社名 イッコウサポート
対象者 渡邉浩司社長
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ブランド テストーニ
購入可能店 取扱店なし
「靴底がゴム地であることから足に負担をかけないで使用できることが良いです。最近、余り履いている人を見かけなくなったことが残念ですね」
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栄を中心とする個性派ショップ
ここ数年,名古屋の紳士靴事情は大きく変化しているようだ。特に並行輸入業者や靴量販店の販路開拓により現行品約6万円の商品が型落ちや多少の疵さえいとわなければ半値近くでの購入も可能となってきた。
少し前までは海外の代表的ブランドといえばプラダに吸収される以前の英国のチャーチ、スイスのバリー、一部好事家に愛されてきたイタリアのテストーニ、アメリカのフローシャム、ジョンソン・マーフィーなど比較的、限りがあった。
しかし今では紳士靴の雄であるジョン・ロブやパリで紳士靴専門店として110年の歴史を超えるベルルッティありで百花繚乱の観がある。惜しまれながら撤退したJMウェストンやアメリカ歴代大統領が愛用したアレン・エドモンズの直営店が名古屋に誕生すれば申し分がないと云えそうだ。
最近は黒のプレーントォーばかりかアンティック仕上げのドレスシューズを履いているサラリーマンも増えてきている。
名古屋の2大商圏である栄はファションの街として親しまれ百貨店や大型商業施設に交じってルイ・ヴィトン、プラダ、グッチ、エルメスなど海外高級ブランドの路面店が数多く点在する。
栄・大津通から矢場町に向かって歩くと主張のある靴ショップが立ち並び、次の一足を考えながら、そぞろ歩きをする楽しみがある。本稿では栄地区を中心に複数靴愛好者の証言をもとに個性あるショップについて紹介しよう。
@ベルルッティ
「店内は美術館のようで溜息が出ます」と靴愛好者が口を揃えるのが三越名古屋栄店の1階に3年前にオープンした『ベルルッティ』。入れ墨にヒントを得たメダリオンシューズは薄墨桜を思わせる色合いだ。ベルルッティファンはポップ・アーティストの巨匠であるアンディ・ウォーホールのために作られたスリップオン“アンディ”を勧めた。「とても40年も前のデザインとは思えない。足下にオシャレする名古屋人が増えれば嬉しいね」と云う。
Aブルックス・ブラザーズ
昨秋、話題を集めたのが旧山一証券ビルの地階、2階の両階に1254平方メートルの売り場面積としてオープンの米国老舗『ブルックス・ブラザース』で中部地区初の最大規模の路面店となる。同社はポロ競技からヒントを得たポロカラーシャツやシアサッカーやマドラスを夏の定番素材として定着させたブランドとして知られ、2階には趣味の良いコードバン、カーフを材質にしたベーシックな黒のストレートチップ、茶のプレーントウをモンクストラップなど約40足が燦然と輝いている。昔からの愛用者は「ほとんどNY本店のイメージで良い。コードバンを一足、買い足そうかな」
Bジョン・ロブ
松坂屋名古屋本館の2階に静謐な佇まいの中にある『ジョン・ロブ』。ノーザンプトンのジョン・ロブはエルメスが資本提供している靴ブランドとしても知られている。「道具としての履き心地とモノとしての美しさを極めて高い次元で融合させた逸品揃い。店内は厳選された品々の他にも同社製の靴クリームも取り扱っている。価格帯20万円が気にならなければ手に入れたい。
Cエルメネジルドゼニア
モダンを感じさせるのが名古屋証券取引所ビル1階に位置する『エルメネジルドゼニア』。定評あるのはスーツばかりではない。最近は靴展開にも力を入れていると聞く。ゼニアブランドに詳しい消息通は「過日、見たコンビが忘れ難い。外側は勿論、内側もキップで10万円台と内容、仕上げともに申し分がないと思います」。
Dエドワード・グリーン
2006年、栄名所となったASTONビルのオープンは話題を集めた。9階建ての同ビル3階には英国ブランドを集めたセレクトショップ・ジービープレイスがある。個性的な『サイモン・カーター』のカラフルなカフスや『グラハム』の腕時計など逸品ばかりだが中でも目を惹くのがフロアの奥にある『エドワード・グリーン』のコーナー。八八八ラスト(木型)を使用したウェストミンスターはバックルも同色で統一性を感じさせる。この他、一時代を築いたラスト600使用のUチップ・ドーバーをはじめ店内に並べられたおよそ120足は壮観ではある。愛好者は「アスファルトでダメージを与えたえたくないから履く時は限られてきます…」
Eクラークス
松坂屋本店から反対正面のギャップ近くにあるFit−In名古屋栄は『クラークス』の東海地区唯一の専門店だ。地階はレディース、2階がメンズのフロアで構成されている。メンズコーナーにはイギリス軍陸軍の砂漠行軍用の靴として採用されたデザートブーツやワラビーブーツをはじめナタリーなど約150足が並ぶ。値段も2万円でファションに関心の高い20代から昔から愛好してきた60代と幅広いのが特長だ。
Fクロケット&ジョーンズ 栄ミナミのデザインセンター内にある「ビームス名古屋」は20歳代から30歳代を中心に人気を集めるセレクトショップ。靴にも力を入れており、例えば、人気の英国靴ブランド『クロケット&ジョーンズ』など、7万円から9万円前後の価格帯を中心に品揃えも豊富。売り場面積に比べると靴の展示コーナーは広いとは言えないが、それでも常時70種類以上の商品が並んでいる。そのなかでも少し特別なものを求める人には、『エンツォ・ボナフェ』のパターンオーダー。納品まで半年近くかかり、値段も10万円前後と値は張るが、自分の足にぴったり合う靴を履く喜びは格別。細部の造りも用意されている中から好きなものを選ぶことができ、自分だけの靴を一足手に入れることができる。
靴のある風景
靴と聞いて真っ先に連想するのは誰しも一度は手にしたシンデレラの童話だろう。王子にとってシンデレラの唯一の手がかりは脱ぎ捨てたガラスの靴だけだった…と余りにもお馴染みのストーリーである。
舞踏会で踊り続けた王子が憶えていたのが彼女の容姿でも毛皮のコートでもなく、一足の靴であったことは暗示的で女性にとって靴は総体の中の部分を超え、フェティシズムと位置付けられるようだ。
女性の履く靴が効果を挙げた映画事例としては灼熱の悲恋を砂漠の果てで繰り広げる『モロッコ』とアンデルセン童話をモチーフにした『赤い靴』を代表例として指を屈することに異論がある方は少ないだろう。
『モロッコ』は国内トーキーの第1号作品でゲイリー・クーパー演じる外人部隊兵士が額の前に垂直に立てて指を振りかざす仕草が一世を風靡したが、それよりもラストの女給役であるマレーネ・ディートリッヒが女の運命をかけた余りにも有名なラストシーンに華奢なハイヒールが見事に生かされている。
またマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーの両コンビが生んだ画期的バレエ映画『赤い靴』は、モイラ・シアラー演じるヒロインの生き方と相俟ってトウシューズが鮮烈な印象を与えた。
銀幕で紳士靴が特長ある小道具として活躍する姿はほとんど見られないのが現状だ。そもそも軍隊と共に発達した歴史ゆえかレニー・リーフェンシュータール監督の一大スペクトル『意志の勝利』の自兵が一糸乱れぬ分列行進のシーンのように靴は統率や集団における男性の象徴であり、風姿に金をかけることの出きる個人層が形成されにくいことや“男たるもの、お洒落などに憂き身を窶して”といった時代的風潮も一因かも知れない。
邦画で紳士靴が準主役としてお目見えしたのは、新派悲劇全盛時代、大正活映が文豪の谷崎潤一郎にシナリオを依頼した『アマチュア倶楽部』を思い浮かべるのだが、映画通によればそれ以前の作品でも外国で成功した実業家の姿に投影されているようだが詳細は定かではない。
やはり紳士靴が面目躍如なのは何と云ってもアーサー・フリード製作の『バンド・ワゴン』だろう。往年のミュージカル・スターのトニー・ハンター役を演じたフレッド・アステアに軍配を上げたい。
トップハットに燕尾服、ホワイトタイが様になるアステアはマイケル・ジャクソンの振付にも影響を与えたが、本篇ではトニーがマートン夫妻に再会を果たした後、変わり果てた42番街のゲームセンターで靴磨きを相手に“A shineon yourshoes”(靴が光れば)ナンバーを派手に歌い上げ、華麗なるタップ・ダンスの妙技を披露するシーンが圧巻。
また、♪大富豪を見たよ。ニューヨークはパーク街。あのしゃれた通りで堂々としていたね。…気分が沈む時はお洒落して金を使い果たして愉快に過ごそうと続く劇中歌・リッツの輝く夜が流れる『ブルー・スカイ』で粋な紳士靴やステッキを片手にここでも妙技を見せている。
異色作といえばケン・ラッセル監督の『バレンチノ』でヌドルフ・ヌレエフ演じるバレンチノがニジンスキーを演じる元・英プリンシパルにアルゼンチンタンゴを踊るシーンが印象に残っている。
演劇ではサミュエル・ベケット作の『ゴドーを待ちながら』でゴドーと云う得体の知れない人物を待ち続けながら登場人物が靴を脱いだり履いたりする姿が印象的である。
絵画ではベルギーの異色画家であるルネ・マグリットはハンス・ベルメールやピエール・モリニエら他のシュールレアリスト画家たちが女性靴をモチーフにした作品を残しているがマグリットは蝙蝠傘を差し無骨な紳士靴を身に付け、空中浮遊する貴顕紳士が登場する一連の作品群を残している。
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